第2回 自主勉強会

日時:2020年1月17日(金)18時半~20時

場所:西宮市立中央公民館6階 調理室

主題:子ども・地域に合わせた防災教育

参加:20名

 2回目の主な内容は次の三つでした。

①低学年の防災教育の実践

②クロスロードの実践

③地震・津波想定の避難訓練の実践

 以上のように、実践を三つ発表してもらいました。


 はじめに、西宮市立夙川小学校の若林耕平先生から低学年で行った防災教育の実践について発表してもらいました。実践の特徴は、次の3点です。

①主体的な姿勢を育むことを目標としている。

②学校の実態を分析し、教材化している。

③実際に学校の中を回って危ないもの、身の守り方を子どもたちが考えている。


 地震を想定した避難訓練では、授業中に、教室で、自席に座っている状態から机の下にもぐることが多いのではないでしょうか。「では、机がなかったら、どうするの?」という問いから授業が始まります。身の守り方は一つではなく、その場に応じて自分で考える必要があることを気づかせます。その上で、①教室、②ろうか、③体育館に行って、「あぶないもの おちてきたり たおれてきたりしそうなものは なにかな?」、「あぶないものから どうやって みをまもったら いいかな?」と問いかけます。三つの場所は、夙川小の先生方で危険性の高いところを分析して決めたとのことでした。倒れる可能性がある教室の可動式ドアや、ろうかの窓に採光のために使用されているガラスなど、気づいてほしい箇所をあらかじめ想定していました。

 三つの場所に行った子どもたちは、普段目を向けない場所にも注目してたくさんの発見をしていました。現地に行くことで思考がはたらいているのが動画からビシビシと伝わってきました。


 次に、西宮市立高木北小学校の恒吉泰行から学年で同時開催した保護者参加型のクロスロードの実践について発表させていただきました。

 クロスロードとは、第1回目の勉強会で取り上げた災害場面での難しい意思決定を疑似体験する防災ゲームのことです。武庫川氾濫による洪水で浸水する恐れがあるという校区の実態に合わせて問題を自作しました。

 地域の実態に合わせて洪水編の問題にすることで、防災意識が高まり、授業後に家族で話し合いをもつ機会が増えたと感じています。


 最後に、尼崎市立明城小学校の寺坂慎吾先生から当日行った地震・津波想定の避難訓練の実践発表がありました。昨年度までは、一度運動場に出て、校舎の安全確認後、津波を想定して校舎の3階に避難していたそうです。今年度は、地震が起きた後、運動場に避難せず、そのまま津波に備えた移動をしたとのことでした。その意図として、住んでいる人>避難所の収容人数という地域の現状があり、地域住民が避難のために学校に殺到する前に、児童の移動を完了させるねらいがあるとのことでした。その後、意味のある避難訓練を行うには、どうするべきなのか、参加者で話し合いました。避難訓練を一行事としてではなく、教材を充実させ、授業の延長として行うこと、シナリオを固定せず、たくさんもつことなど、各校での実践を踏まえた話が多く出ました。


今後の勉強会のお知らせ

○3月1日(日)10時~ 大阪府堺市の避難訓練

逃げトレアプリ(アプリについては裏面参照)を使った避難訓練に参加しませんか?

興味がある人は恒吉までご連絡を!ya_tsuneyoshi@edu.nishi.or.jp

西宮・尼崎の防災教育を考える会

西宮・尼崎の防災教育を考える会は、令和元年8月に発足した自主勉強会です。兵庫県の西宮市も尼崎市も南海トラフ巨大地震による津波被害、台風等による河川氾濫による被害が想定されている地域です。「来るべき災害から、子どもたちの命を守りたい。」という現場の思いに呼応して会を立ち上げました。特に、教師がいない場面で、子どもたちが主体的に避難行動をとれるようにしていくための教材の共有を会の目的としています。