第12回 自主勉強会

今年度1回目の勉強会!

コロナ禍で対面式の勉強会を実施するのが難しい状況を打開しようと、一昨年度からMicrosoft Teamsを使ってオンラインで開催しています。


内容報告

日時:2022年4月23日(土)10時~11時半

場所:オンライン(Microsoft Teamsを使って)

演題:みんなで体験!防災カードゲーム「つぎはなにがおきるかな」

参加:82名


12回目の勉強会は、国土交通省 国土技術政策総合研究所 道路地震防災研究室主任研究官である長屋和宏様を講師にお招きし、防災カードゲーム「つぎはなにがおきるかな」について講演していただきました。

 防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」は、自然災害を想定し、発生した時に起こる危険な場面をストーリー仕立てで表現されたものです。カードは、災害が発生した時に起こる危険な場面を表す3枚のカード(A, B, C)とそうならないための備えや行動を記した1枚のカード(D)、あわせて4枚で一つのストーリーを示しており、それぞれの災害で7つのストーリー(合計28枚)で構成されています。(図1)

図1 カードの説明

 カードの使い方としては、

①なにがおきるかならべてみよう!(防災7ならべ)

②とるとるカード!(防災かるた)

③だいじょうぶではありません!(防災ババぬき)

 といったものがあることが紹介されました。子どもたちにとっては普段トランプを使ったゲームと同じようにカードを扱うため、学習への取り入れやすさを感じました。取り入れやすさはカードの使い方だけではありません。カードを制作する過程で、教育漢字を主に使用し、小学3年生までに習っていない漢字にはふりがなをふるといった工夫がされているとのことでした。また、ピクトグラムを使ったイラストは、実態に即したものにすることで、災害のメカニズムが正しく理解できるようにしているとのことでした。


 会の後半には、防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」のオリジナルストーリーをワークショップで制作する方法を紹介していただきました。

図2 オリジナルストーリーの作り方

 ストーリーを主体的に考えることで、コミュニティ(クラスや学校、地域)で防災に関する知識の共有、防災意識の向上を図ることができると感じました。


参加者の感想(一部)

・ゲームなどを通して、「楽しんで」と言うと語弊があるかもしれませんが、子どもたちが興味関心をもって防災教育を行っていくことは、大変重要なことだと思います。被災地でも、これまでは心のケアを重要視してきましたが、震災を知らない子どもたちに対しての防災教育のあり方として、楽しみながら防災教育を行うということは必要になってくると思いました。

・震災を経験した福島県のものです。災害は地震だけではなく、今回のお話にもあったように土石流、急傾斜地(これも経験しました)の崩壊など様々ですが,何を自分たちがどうしていくかその想像(創造)力を養っていく上で非常に面白いものと感じました。また機会がありましたらよろしくお願いします。ありがとうございました。

・今回ご紹介いただいたカードゲームは子供から大人まで楽しみながら学べるのでとてもいいなと感じました。貴重なお話もたくさんお聞きすることができ、参考になりました。ありがとうございました。


今後の勉強会のお知らせ

第13回 西宮・尼崎の防災教育を考える会

日時:令和4年6月25日(土)10時~11時半

場所:オンライン開催

内容:「具体的なアクションに導く防災学習の戦術」(仮題)

講師に松本秀應先生(元香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構特命教授)をお招きします。防災に関する学習会の後に、参加者が具体的にアクションを起こしてもらうための戦術を学びます。各地で防災学習をコーディネートしている方々は必見です。

今後もどうぞよろしくお願いします。

西宮・尼崎の防災教育を考える会

西宮・尼崎の防災教育を考える会は、令和元年8月に発足した自主勉強会です。兵庫県の西宮市も尼崎市も南海トラフ巨大地震による津波被害、台風等による河川氾濫による被害が想定されている地域です。「来るべき災害から、子どもたちの命を守りたい。」という現場の思いに呼応して会を立ち上げました。特に、教師がいない場面で、子どもたちが主体的に避難行動をとれるようにしていくための教材の共有を会の目的としています。