内容報告
日時:2021年1月23日(土)10時~12時
場所:オンライン(Microsoft Teamsを使って)
主題:WBSで学校防災はどう変わるか
参加:56名
5回目の勉強会では、西宮市立学文中学校教諭の中村洋介先生(現在、兵庫県立大学大学院に長期研修中)が講師を務めました。中村先生は、令和2年に改訂された兵庫県学校防災マニュアルに協力者として関わっていて、新しく導入されたWBSの考え方についても精通している防災教育の実践者です。ちなみに、中村先生の現任校である西宮市立学文中学校は、令和2年度1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」でフロンティア賞(過去に受賞がなかった地域・分野での先導的な取り組みまたは初応募のすぐれた取り組みに対して授与)を受賞しています。興味がある方は、現在特設サイトが開設されていますのでご覧ください。
それでは、勉強会の内容に戻ります。主題であるWBSとは、Work Breakdown Structure「作業分解構成図」の略称です。WBSでは、最初に必要な作業の洗い出しを行い、可能な限り細分化し、それぞれの作業に必要なコストや人員配分を割り出して、スケジュールを配分します。これによってプロジェクトの目的達成に必要なタスクの相関関係がひと目で把握でき、関連するタスクを意識しながらスケジュールを管理できるのが特長です。現在では、主に企業の危機管理などに用いられています。防災の文脈で考えると、災害時に子ども達を安全に運動場に避難させるためには、具体的にどのような作業をどのような手順で、何人ぐらいでおこなえば良いのかなどを考え、それに基づき実際に訓練を行い、反省点を明確にし、いざという時の動きを頭と体で習熟させていくためのものといえます。中村先生からは、WBSの説明と共に、従来の防災マニュアルでは、誰が、何をするのか曖昧なものが多く、いざという時に役に立たない可能性があることが指摘されました。
図1:WBSについて説明中の中村先生
WBSの説明の後は、ワークショップです。図2のような想定で実際に仕事(やること)を付箋に書き出してWBSを作ってみました。
図2:ワークショップの設定
休憩をはさんで、参加者が書き出した仕事(やること)を全体で共有しました。ワードファイルを画面共有し、発言内容を主催者が打ち込んでいき、参加者全員で内容を検討しました。
図3 画面共有の機能を使って仕事(やること)を全体で意見交流
勉強会の最後には、国土交通省国土技術政策総合研究所の長屋和宏様、徳島大学の上月康則様、兵庫県立大学大学の青田良介様、香川大学の松本秀應様に、各参加者が現場でWBSを実践していく際の留意点についてご助言いただきました。また、ワークショップ中など多くの場面で参加者から積極的に質問や意見を出していただいたおかげで、充実した学びの時間となりました。参加してくださった皆様に改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
今後の勉強会のお知らせ
○第6回 西宮・尼崎の防災教育を考える会
*防災学習実践研究会と合同開催
日時:3月27日(土)14時~
場所:オンライン開催
*人と防災未来センターにて対面参加も可
内容:東日本大震災から10年 今そして未来へ(仮題)
次回は、防災教育の第一人者である兵庫県立大学特任教授の諏訪清二先生が主催されている防災学習実践研究会との合同開催です。東日本大震災から10年を迎える今年。オンラインを活用して、現場の声に一緒に耳を傾けませんか。震災を経験し、現在も教育現場で奮闘されている先生に講演を依頼しているところです。詳細が決まり次第お知らせいたします。
今後もどうぞよろしくお願いします。
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